辻村深月「凍りのくじら」感想:辻村作品3作目、どストライクでした

「凍りのくじら」文庫 表紙
「凍りのくじら」辻村深月 文庫表紙

「読書」のカテゴリーで書くのは久しぶりな気がする。でも、本は日々読んでいます。(マンガもはーと

今回読んだのは、辻村深月さんの「凍りのくじら」

前々から、タイトルが魅力的で気になっていた本。ついに着手です。

久々に、本を読んで興奮しました。中盤からラストにかけてハラハラドキドキが止まらない!読み終わった時、もう一度最初から読みたくなる・・・というか読まずにはいられない。

で、再び読んでみると、まあ腑に落ちる落ちる!あのシーンこのシーン。すっごい面白かったです。読めて良かった!まだの人は是非読んでほしい!!!

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凍りのくじら」辻村深月 感想 ※ネタバレあり

別所の正体が分かった時は頭の中?だらけでした。っていうか、分かってるんだけど、認めたくなくて。

別所の好きな子が理帆子だと思っていたから、一緒に買いに行ったプレゼントを「実は君へのプレゼントだよ」だなんて言って渡す、胸キュンな展開を想像していて、それが叶わないではないか!!って一生懸命別の解釈はできないか考えました。

そもそも、山の中に理帆子を迎えに来た時点で、え?って思いますよね。でも、私はその時、実は別所も郁也連れ去りの件に絡んでいるのかと思って、心の中で「イ゛ヤ゛ダーッ!」って悲鳴をあげていたので、そうではなくて心底ホッとしました。笑

読み返した時に、別所との初対面のシーンで、理帆子はめまいと共に別所を「どこかで見たことがある」って思っているんですよね。レストランで二人で食事したシーンでは、隣の席の高校生が理帆子をチラチラ見ながらコソコソ話していたり、そそくさと去っていったり。(そりゃそうなるわな。笑)1回目読んだ時はそんなの気にも留めなかったけど、実はすごい伏線だったんだ!って。そんなシーンが盛りだくさん。

若尾が郁也に矛先を向けた時も、え?別所じゃないんだ?って一瞬考えたんですよ。でも、先に読み進めるのに必死で深く考えなかった。

それにしても、実態のない存在だったとは… 「別所=お父さん」って分かった時、アポトキシン4869みたいな薬のことが真っ先に頭に浮かんだわ。笑 私は青山剛昌の事を「先生」と呼ぶべきなのか・・・にやり

サイエンスフィクションのSFはS(すこし)F(不思議)な物語のSF

主人公の理帆子が感銘を受けた藤子不二雄の言葉。なるほど、面白いですね。私もいろんな“SF”を考えたけど、Fで始まる言葉って“不”でネガティブな感じのが多くて難しいです。

理帆子は本人曰く、S(少し)F(不在)な女の子。最初、なんて大人な子なんだろう!って思いました。冷静だなって。自分が高校生の頃、こんなに俯瞰している子供じゃなかったと思うし、むしろ、自分の事で頭いっぱいな、自意識過剰なイタイ子だったと思うし、でもそれが、“普通”の高校生なんだと思う。だから、理帆子ってなんか現実的じゃないなって感じていたんですけど、でも、結局、理帆子も他の子たちとタイプは違えど、まだまだ子供だったんだなって、読み終えた後はそう思います。

俯瞰しているのではなく、俯瞰している風だっただけ。さっき“F=不”が多いと言いましたが、まさにそうゆう事。理帆子は他人の“不”、ない部分ばかりに目がいきがちだったんですね。自分の母親の事をそう言っていたけど、理帆子こそ“少し・不幸”な子な気がする。お父さんは、そんな理帆子を救うため現れてくれたのですね、きっと。

これからは、郁也と共に、多恵の元で少しづつ子供らしく生きていけたらいいのにな。エピローグでは成長した郁也がペラペラ喋っていて激しく違和感でした。笑 普通の男の子になっていたな。ちょっとさみしい・・・でも、いい事なんですけどね!(ちょっとイケメンの雰囲気出てたし!笑)

理帆子が、たくさんの“若尾”が世の中の事件を起こしている、的な事を言っていたのが印象的です。若尾はS(スゴク)F(腐敗)していてF(不快)なやつで、出てくるたびに不快指数を上げるような男でしたね。理帆子が彼の何にカワイソメダルを感じていたのか最後までさっぱり理解できなかった。話が通じないヤツほど不快なヤツはいない。論破できるだけの頭もないし、関わらないにつきるタイプの人間。

別所とのお別れのシーンは切なかったな。でも、鳥肌立ちまくりだった。別所は実在していて、同級生で、この一件のあと、少しずつ成長したみんなが共に幸せに生きていく・・・みたいな展開でも物語として十分面白かったけど、それだけではない衝撃の事実が待っていて、でも、だからこそ、もう一度読まずにはいられなくなるし、この物語が最高たる所以はそこですよね。向こうの世界でお母さんにペンダント渡してるといいな♪

いや~本当に読めて良かった!最高でした!!!辻村深月さん恐怖症(笑)だったのが信じられん!スローハイツの神様にも理帆子が出てくるらしいですね。もう売ってしまったわ~(とほほ)

帯に「この順番で読めば辻村ワールドがより楽しめる!」なる本紹介がされていたので、ちょっとそれに沿って読み進めてみたいですね。

でも、次は話題作の膵臓のやつ(笑)と決めている。初めての作家さんです。ドキドキする~

余談ですが、最近読んだ中では、森絵都さんの「つきのふね」もすごく好きでした。実写化するなら、智さんは是非とも坂口健太郎くんでうふ

☆21日にたくさん拍手いただきました!1日にたくさん!嬉しい^^ありがとうございました☆

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