辻村深月「冷たい校舎の時は止まる」 2回読んだ感想

辻村深月さん「冷たい校舎の時は止まる」
私の2018年No.1!辻村深月さん「冷たい校舎の時は止まる」

「冷たい校舎の時は止まる」読了です。

読後感は、少し切なくて、なんだか悲しいような、でも温かくて、でもやっぱり切ないようなそんな感情が延々と続く感じで余韻からなかなか抜け出せません。

読んで本当に良かった!「凍りのくじら」ぶりの辻村作品。ど真ん中ストライクでした。

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「読書」のカテゴリーで書くのは久しぶりな気がする。でも、本は日々読んでいます。(マンガも)今回読んだのは、辻村深月さんの「凍りのくじら」前々から、タイトルが魅力的で気になっていた本。ついに着手です。久々に、本を読んで興奮しました。中盤...

辻村作品 今後の読み順について考える

ここまで来たら、辻村ワールドにハマってると言っても過言ではないと思うので、そうなってくると、「スローハイツの神様」をもう一度トライしたくなる。

辻村さんファンの方々がこぞって最高傑作と褒めたたえるあの作品。読んだのは多分もう10年近く前になるのかな?私にはハマらなかった(&即売った笑)

ハマらなかったどころか、その後辻村さん作品を敬遠するキッカケとなった作品。あれも今読めばドハマりするんじゃないかなって気がしています。

でも、次は「子どもたちは夜と遊ぶ」にしようと思っています。榊くんが出てくるらしい、「ロードムービー」も気になるけど…(そうです、私は榊くんが大好きです。かっこよすぎる❣)

だけどやはりここは帯のオススメ順通りに・・・って思ってたら、凍りのくじら買った時と今回の帯とで、書いてあることが違う事に気付く…

辻村作品文庫の「帯」

辻村作品文庫の「帯」

ね?

どっちを信じればいいんだー!と思いますが、もうすでに冷たい校舎を読んでいるので下の方の順に従って読んでいこうと決めたわけです。

さてさて、「冷たい校舎の時は止まる」 名作です。大好き。
未読の方は是非今すぐにでも本屋さんへ行き、「冷たい校舎の時は止まる」を読み、そして、感想を共有したいです。本当に名作!!

では感想に参ります。ネタバレしまくってるのでお気を付けください。

☆お先に拍手御礼☆
更新していない間も拍手をいただき本当に感謝しております。ありがとうございました。

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今、1回目を読み終え、2回目を読んでいるところです。
こんなにも読み終えてすぐにしっかりと2回目を読むこと初めて。

感想(ネタバレあり)

一回目:序盤はハラハラ… 後半はとにかくワクワク!

上巻(文庫)は結構ホラー要素強めで背筋がひやりとする感じです。特にシャワー室での出来事なんて、ギャーって感じですね。笑

でも、これから”何か”が起こるんだろうなという雰囲気が半端ない!上巻は正直2度目読むときの方が面白く感じると思います。つまり伏線というのか、ヒントが随所にちりばめられているということです。

下巻(文庫)は、もう「誰か私の読書を止めてくれー!」状態で、時間があればひたすら読みふけっていた感じで、あんなに読書に没頭したのは久しぶりでした。

菅原の話だけ長すぎないか?とか、榊と菅原ってキャラ被ってるよね、とか、凍りのくじらの例もあるので、自殺をしたのは榊で、今現在の榊くんは幻なんじゃないかとか、何かと何かの話の時系列が違うんじゃないか、とか。

今思えば、なんでそこまで考えていて分からないんだよ!って突っ込みたくなりますが、お話に引き込まれていて、先が読みたくて仕方がなかったので、それ以上深く考える余裕がなかったんだと思います。

これ、凍りのくじらの時にも同じようなこと言ってたな。笑

自殺者に関しては、深月じゃないんだろうな、とは思ったけど、春子じゃインパクトがな~と思ってたので意外といえば意外でした。(私は最後まで榊が自殺者だ!と思ってた。)

「被害者と加害者を逆転させるための自殺」
恐ろしいですね。そしてそれは十分効果のあることだと思う。ただ、そんなこと考えて実行してしまうくらい頭がいっぱいいっぱいになってた春子のことも、自業自得だと突き放す気には到底なれません。春子の弱さも痛いくらい共感できるから、深月には最後の日、許さなくてもいいけど、手紙を、まずとりあえず読んでみるくらいして欲しかったなと思ってしまう。

防御していたつもりがいつのまにか攻撃になっていることって実際に起こり得る。表裏一体というのか。一歩間違えれば踏み外してしまうようなことだからこそ、責めるでもなく、でも許す必要もなく、忘れるでもなく、“消化”するというのか、消化し、血肉にする、身体の中にたゆたわせるというのか。なんと言えばいいのか分からないけど、そうゆう難しいことについて改めて考えました。

菅原のセリフだったかな?

「自殺も寿命。中身がもうこれ以上生きられなかったんだ」

ってやつ。あれがすごく印象に残っています。

「菅原榊」のフルネームが初めて出てきた時は、もうなんというのか、「う゛う゛う゛~~!」って唸った!笑 ジタバタもがきました。「管原榊」にも驚いたけど、大人しい方の「ヒロ」と、そのガールフレンド「みーちゃん」にも驚きましたね。そこも繋がっていたのか!っていう。

二回目:数々の伏線にビックリ

最初から読み直してみると、いたるところに「菅原=榊」であることのヒントが描かれていて、それはそれはもう大胆で、笑ってしまいます。

というか、深月の母がしょっぱなから深月の事を「みーちゃん」って呼んでるんですよね。これは“ヤラレタ!”感半端なかったです。大胆すぎる!笑

菅原は深月の手首を確認してるシーンがあったし、鷹野も榊と菅原はなんか似てるな~なんて考えてるし(同一人物だよ!って盛大にツッコんだ)そもそも、みんな菅原についての記憶が結構ふわふわしているんですよね。(クラス委員の役割、菅原だけ「・・・いろいろ手伝ってくれてたよね!」で笑った。)

冒頭、彼は1週間の謹慎明けだったから、嫌でも毎日顔を合わせる学生時代に1週間も合わないとそんなもんなのかもね~なんて思ってたし、そもそも序盤の菅原はほんとにちゃらんぽらんで(笑)あれでは榊に結びつかないのも納得ですね。(私みたいに榊大好きで補正入っちゃってるような人には特に!爆)

中盤以降どんどん、実はだれよりも熱くて強いハートの持ち主なんじゃ!みたいな雰囲気が出てきて、思えばこの辺りから2人のキャラ被ってるな~って思い始めた気がします。(でも私は、菅原!キミも榊ファンなんだね!って思ってた。あほすぎる。)気付いたら高校生に戻ってるって榊もさぞ驚いたことでしょう( ̄▽ ̄)

そもそも「榊」って名前が巧妙ですよね。上なのか下の名前なのか!っていう。私はなんの疑いもなく、ずっと苗字なんだと思っていました。

現実の?現代の?榊はもう少し私のイメージでは哀しい色味が強めというのか。だから誰も知る人のいない土地で新しい生活を始めた榊が実はまだ一番、中学時代のことも青南でのことも乗り越えられていないのかな、なんて感じました。

鷹野が榊の元へ訪れるとこで物語は終わりましたが、榊はこれから本当の意味で再生していくんだろうな、いってほしいな。榊が再びサトちゃんのような人に出会えることを願います。

感想まとめ

もうアホの一つ覚えみたいになってしまいますが、とにかく本当に大胆!

小説の冒頭なんて、まだ登場人物のキャラクターと名前が一致していない手探り状態で、ふわ~っと読み進めているのは私だけじゃないってことなのねって妙に安心した。笑

それにしたって、この大胆さはなかなか肝っ玉がすわってるな、というのか、挑発的にすら感じられて感心しちゃいます。

榊の中学生時代のエピソードは本当に切ないですね。「人が死を決断する時のあっけなさ」というのが全編を通して何度も出てきますが、本当にその通りですよね。傍から見ていると簡単に決めすぎじゃないってくらいあっという間。

そんな人たちに「いつか必ず大人になれる」って声をかけてあげられる榊みたいな人に私はなりたい!(そう思って、じゃあすでに大人の人にはなんて言えばいいのか真剣に考えた時点でなんかもうダメな気がする。笑)

私は子供の頃は「大人になんてなりたくない」と思ってたけど、そう思えるって幸せな子供時代を過ごせてたのかなって今になって思います。

あ~面白かった。
この本とのご縁に感謝の気持ちでいっぱいです。

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