「愛なき世界」三浦しをん 感想 | 2019年本屋大賞はこの作品だといいな♪

「愛なき世界」三浦しをん 表紙
「愛なき世界」三浦しをん 表紙

三浦しをんさんの作品「愛なき世界」を読みました!

私にとって初の三浦しをん作品。

普段、めったに単行本では本を読まない「文庫派」な私が、読みかけの本があったにもかかわらず、どうにも気になり、それをいったん中断してまで読み始めた本作。それくらい食指が動いた。まずは何と言ってもタイトルがいいですよね。で、あらすじ読んで「読みたい!」と思いました。

というわけで、通勤の電車で読みたいのでkindleで購入。読み終えた今、是非とも単行本も買って本棚に加えたい一冊になりました。文庫化まで待てない!(とか言いつつ待つけど。笑)

面白かった!!!!!ほんとにほんとにほんとにほんとに面白かった!! まだ2月だけど、2019年No.1になるんじゃないかって思えるくらい面白かったです。

やっぱり「読みたい」って思った時が「読む時」だよなってのを改めて感じました。

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「愛なき世界」三浦しをん ネタバレありの感想

物語は、T大学界隈を舞台に、洋食屋「円服亭」で働く駆け出しの料理人・藤丸くんが、T大学で植物学を研究している博士課程の院生・本村さんを好きになるところから始まります。

まあ、詳しいあらすじは上手く書けないので割愛するとして。

植物を愛するT大院生 本村紗英

この本村さんがなかなかの曲者というのか。すごく真面目でひたむきで可愛らしい控えめな性格の持ち主なんですよ。でも彼女には大好きで夢中な“相手”=植物がいて、それが故に一筋縄ではいかない!

シロイヌナズナ

本村さんが研究している シロイヌナズナのイラスト

植物には脳も神経もない、つまり「思考」や「感情」を持たない、すなわち「愛」という概念を持たない。「愛なき世界」で生きている植物の研究に一生を捧げる!だから自分も誰とも恋愛はしない!と心に誓っている…

と、そんな女性です、本村さん。

恋人と一緒の時間を過ごすならその時間を研究に充てたい!と、恋愛したことないけどそう思っている所がちょっともったいないよな~と思っちゃいますね。別に恋愛至上主義者というわけではありませんが、藤丸という想ってくれる人がいて、本村んさんも無自覚だけど藤丸のこと好きだと思うので、そうゆう状況で恋愛No Thanksと決めつけちゃうのはもったいない気がする。

そんなわけで藤丸くんは告白するもフラれてしまい、「恋のライバルは植物」という日々が始まります。

…というのが第1章。第1章と第5章(最終章)は藤丸くん目線で、フラ丸とフラフラ丸になるまでの経緯が。笑 第2章~4章は本村さん目線で、彼女の日常=研究の日々が描かれています。

物語が進むにつれて、本村さんの頭の中で藤丸くんの登場率が高まっていくんですよね。

「藤丸さんだったら・・・」とか、「藤丸さんは・・・」とか、藤丸くんのことすごく考えていて、「なんだよ~!本村さんも藤丸くんのことが大好きじゃん!」ってすごく教えたくてウズウズしていました。そうゆうふうに相手のことばかり考えちゃうのを「恋」と呼ぶのではないだろうか!?と思うのですが。

本村さんは自分が藤丸くんのこと頻繁に考えていることにきっと気付いていないですもんね。そして、それに気付いたところで、やっぱり本村さんにとって1番大切なのは植物なんだろうけども。

ただ、「大切なもの」って一つである必要ないんじゃないかな~って思うんだけどなぁ。「植物」と「藤丸くん」両方好きだっていいじゃないか!って思うのですが。それに藤丸くんは、植物のことが大好きな部分も含めて本村さんの事が大好きなんだし、植物<自分 になってもらおうとか考えていないと思うんだけどな~ 本村さんの価値観の壁をぶち壊して欲しい!

本村さんも、もうちょっと気楽に「両方好き!」って思えたらいいのになぁ。なんてもどかしく思う。フラフラ丸!頑張れ!!!!

円服亭の店員 藤丸陽太

もうね、藤丸くんが本当に素敵な子で!!大好き❤

誰に対してもまっすぐで誠実で、それゆえに考え方や言葉にもストレートに胸に響くものがあり、自信満々というわけではないけれど卑屈になることもなく、門外漢の植物研究の場にいても臆することがなく自分の意見や気持ちを伝えることができる。そんな藤丸くんに本村さんは何度も救われている場面がありましたね。

「そぞろ歩き」のことを「ぞろぞろ歩き」と言っていたり、「公私混同」と言われて「仔牛近藤」と脳内変換していたり、ちょっとおバカなところも◎笑

藤丸くんが、物語のラストに、本村さんへ投げかけた言葉、

本村さんの「植物を知りたい」という気持ち、植物への情熱、それを「愛」と言うんじゃないすか

にはかなりぐっときました。 本村さんに愛されている植物は「愛なき世界」ではなく「愛ある世界」で生きているのだと。自分の没頭する世界にも愛はあるのだと。

こんなにも温かい愛に溢れた言葉を投げかけられてもなお藤丸に惚れない本村さんはやっぱり曲者だ。この藤丸からの言葉を受けての本村さんの返事が、「結局、地球上の生物はみんな、光を食べて生きているんですね」というもの。

うーむ。難しい返答だな。

つまり、本村さんも藤丸くんも植物も、みんな同じ土俵に上がったというのか。本村さんの中で、彼女や藤丸(=人類)と植物は別世界で生きていると思っていた壁が取り払われて、ますます植物以外のものは選べないわ!って感じなんですかね? 笑 哲学的というのですかね。難しい会話だ。

大好きなシーン トンカツ or から揚げ

研究室メンバーでの忘年会を円服亭で行うことになり、藤丸が本村と加藤に「揚げ物のメニューはトンカツか唐揚げどちらがいいか」と聞くシーン。

加藤「トンカツ」

本村「唐揚げ」

藤丸「じゃあ唐揚げですね」

このシーンが大好きすぎて大好きすぎて!🤣 加藤と本村はほぼ同時に答えたのに、加藤のトンカツは華麗にスルーされていて、しかもスルーされた理由が「聞こえてなかったのかな」って考えている鈍感加藤が最高でした。

それに、なんといっても藤丸の超ナチュラルな“本村さんえこひいき”が胸キュンすぎますね❣ 藤丸のこうゆうところ、めちゃくちゃイケてるなって思います😍

松田研究室の院生 サボテン愛の加藤

そんな加藤はサボテンのことが大大大好きな修士課程1年(2年だったかも)の男の子。

かなりいいキャラしてます。笑 なにかとスルーされがちというのか、みんなから悪気なく軽く扱われがちな人って印象。

彼のサボテン愛は幼少期からで、サボテンについて加藤と同じテンションで話せたり、興味を示してくれる同世代はおらず、徐々に周りに対して距離を置くようになり、松田先生の研究室に入ってきた頃は周りとコミュニケーションを取ることに消極的で自分の殻にこもりがちな青年だったのだとか。

自分の好きなものを無視されたり否定されたりするのは、自分自身が無視されたり否定されるのと同じ

という本村の脳内セリフが印象的でした。

分かる!それ!!!😭

私も、V6の森田剛を好きになったのは中学生の時なんですけど、私たちの世代って、学校へ行こう!は大人気番組で見ている人も多かったけど、なんていうのか、“V6がど真ん中”な世代ではないんですよね。

私が森田剛を好きになった頃はどちらかと言えば岡田くんの人気がぐんぐん急上昇していた頃で、私自身もですが、森田剛の人気絶頂期など幼すぎて記憶になく、だから「森田剛のことが好き」と話をしても返ってくるリアクションのうっすいことうっすいこと。中には「え~😑」みたいな反応を見せてくる子もいました。そして私もそうゆうリアクションが返ってくるたびに秘かに傷ついたものです。

そうこうするうちにあまり人には森田ファンであることを話さない・・・どころか隠すようになっていき、なのでその当時の友達には、すごく仲良くなった子にだけ打ち明けていたのですが、それを打ち明ける時も、「どんな重大発表が待ち受けているんだ!」レベルにためてためて、モジモジど緊張しながら告白したものです。笑

今でこそ、もう誰にでも、機会さえあれば森田剛について話すことはできるようになりましたし、まあ、↑のような、ある意味素直なリアクションって“子どもならでは”な部分もあると思うので、大人になれば、誰が誰を好きでも、それをどうこう思ったりしなくて、人は人って思えると思うので、(逆に人の好きなものを否定してくる人って関わらない方がいい人っていうサイン)大人になるって最高だな~って思います。笑

って、唐突な自分語りになってしまいましたが(笑)、つまり加藤の気持ちが痛いほど分かるよ!って事です。

そんな加藤も、松田研究室という、しかるべき場所に身を置くことができ、今ではのびのびとサボテン愛を爆発させながら、周りと良い関係性を築けていて良かったなって思います。

アロハシャツが似合わない松田教授

松田先生も素敵な人。

本村さんが、アホとアッホー(笑)で致命的なミスをした時の松田先生の対応に涙が出ました。

ミスが発覚してから1週間、誰にもそのことを話せず苦しんでいた本村のことをまずはいたわり、自分に話しかけづらい空気があったのでしょうか、と反省してくれる・・・こんな優しい人いない!!!

松田教授の過去についてのお話で、親友との突然の永遠の別れを経験し、初めてやっと涙を流すことができた日、その泣き声を「理学部B号館の建物だけが静かに聞いていた。」という一文がとても好き。

今まさに物語の舞台となっているT大にはこれまでにも数えきれないほどのエピソードを見守ってきた歴史があるんだよ、っていう壮大さを感じさせる一文で印象的でした。

あと、学部の実習生を迎えるにあたり、研究室メンバーから日頃の喪服のような服装について注意され、「色のある服を着てきてください」と言われた松田先生が、実習初日にアロハシャツを着て現れたシーンはもう爆笑でした🤣 このシーンを読んでいるのが電車の中じゃなくて本当に良かった!笑

実写化希望! 藤丸は岸くんで…(小声)

第1章を読んでいた時は、藤丸くんって愛され奥手もやしおバカ男子(←)だと思っていたのですが、「奥手もやし」はもとい!本村さんに1回目フラれてフラ丸くんになってからの対応がイケメンすぎて、コヤツやるなぁ~って意外でした。

ごくごく自然に研究室に顔を出し、本村さんだけでなく研究室メンバーと打ち解けていき、しつこさを全く感じないけれど、でもさっきの唐揚げみたいに本村さんへのアプローチも忘れず・・・なんていうのか…上手い!!実はかなり恋愛上級者なのではないでしょうか?😎

 

私は是非ともこの藤丸くんをキンプリ岸くんで実写化して欲しい!!(また岸くん。笑)

ちょっとおバカだけど、みんなから愛されているところとか、仕事に情熱を注いでいるひたむきなところとか、あと、何より藤丸のあの口調!「~っす」って岸くんも口癖ですもんね。笑 岸くんは藤丸くんに通ずるものがたくさんある気がする。(料理も得意みたいだし!)

2019年の本屋大賞にノミネートされている本作。 実写化の可能性は大いにありですよね!これをもし岸くんが本当に演じることができたら、人気も爆上がりしそう♪というか、藤丸を演じた子は人気上昇間違いなし!ですね。それくらい、藤丸くんは魅力的なキャラクターです。

感想まとめ

本作が私にとっては初の三浦しをんさん作品でしたが、読めてとても良かった!お話や登場人物たちが魅力的なのはもちろんですが、三浦さんの文章が心地よいなと思いました。

今回新しく覚えた言葉が、“先ほど”という意味での「最前」(そんなことも知らんのかーい!という突っ込みは受け付けません!)

笑える箇所もたくさんあって、電車で読むのはやや危険です。笑 クスクス笑うだけならともかく、プって思わず吹き出しちゃうことも多々ありました。

登場人物も全員素敵!円服亭の大将も、円服亭の常連さんたちも、研究室のメンバーも、みんなみんな温かくて素敵な人たちばかり。

 

是非とも続編が読みたいですね。

本村さんも今は博士論文に向けて絶好調で研究の“面白い部分”が強く見えている時だから、藤丸からの2度目の告白も瞬殺で断っちゃうくらいでしたが、絶好調な時ばかりではないと思うし、だからってのも変だけど、もう一つ“なにか夢中になれる世界”として、藤丸くんがいてもいいのではないでしょうか。…ってこれはやっぱり凡人の考えなのかな~

でもやっぱり、藤丸頑張れ!!✊ そしてそんな二人を是非ともまた読みたいなと思います。

 

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